花に花言葉があるように、カクテルにも一脚ごとに固有のカクテル言葉意味が託されています。知らずに頼むと予想外のメッセージを放ってしまうこともあれば、言葉にできない感情をそっとグラスに委ねる粋なコミュニケーションにもなり得ます。
例えば、ミントの清涼感が心地よい「モヒート」の言葉は「心の渇きを癒やして」。一見カジュアルなライムサワーのような「モスコミュール」には「けんかをやめて」という意味が込められています。さらにロマンチックな文脈では、「ブルームーン」が「完全な愛」、あるいは青い薔薇と同じく「叶わぬ恋」という二面性を持つなど、夜の止まり木にふさわしい深みを持っています。
一方で、夜の酒場には甘いトラップも存在します。「スクリュードライバー」や「キス・イン・ザ・ダーク」のように口当たりが甘くアルコール度数が極めて高いカクテルは、通称「レディ・キラー」と呼ばれ、「私を警戒して」「危険な愛」といったニュアンスを秘めることも。カクテル言葉の真相を知ることは、大人の嗜みとしての危機管理でもあるのです。