時が流れるのは早い。高倉健がこの世を去ってから、すでに干支が一回りした。生前、あれほどまでにプライベートの露出を嫌った彼が、なぜ今になって写真という形で切り売りされているのか。一部のオールドファンからは、そんな疑問や批判の声が上がったのも事実だ。
しかし、小田貴氏の意図は単なる懐古趣味や売名ではない。彼女の関係者によれば、「昭和という時代が生んだ偉大なスターの足跡を、風化させずに次の世代へ語り継ぐため」という強い使命感があるという。デジタルネイティブ世代にとって、高倉健は「教科書の中の人物」になりつつある。だからこそ、生身の人間としての体温を感じられる写真が必要だったのだ。