馬場ふみかを語る上で避けて通れないのが、女性ファッション誌『non-no』の専属モデルを務めながら男性誌のグラビアでも表紙を席巻した「モグラ女子(モデル+グラビア)」ブームの旗手としての歴史です。当時はその抜群のスタイルばかりがクローズアップされ、「ビジュアル先行のタレント枠」という偏見に晒される場面も少なくありませんでした。
しかし、本人の活動指針を追うと、そのパブリックイメージに安住することなく、極めて早い段階から泥臭い演劇の現場へ飛び込んでいた事実が浮き彫りになります。劇団☆新感線の舞台をはじめとするハードな演劇公演への客演や、小劇場系の演出家による過酷なワークショップへの参加を重ね、身体表現の基礎を徹底的に叩き込んでいました。
特筆すべきは、彼女が幼少期から10年以上にわたって本格的なクラシックバレエに打ち込んでいた点です。ドラマのアクションシーンや立ち姿、視線の配り方に見られる独特の凛とした気品は、このバレエ経験に裏打ちされています。「恵まれた容姿に頼ったキャスティング」というネットの一過性の噂は、彼女が舞台裏で積み重ねてきたフィジカルトレーニングと舞台演劇での経験値を見落とした浅薄な見立てに過ぎません。