石原典子夫人(旧名・由紀子)は1938年、広島県に生まれた。厳格な家庭環境と豊かな教養の中で育った彼女が、後に運命を共にする石原慎太郎と出会ったのは、なんと彼女がわずか12歳(小学6年生)、慎太郎が15歳(中学3年生)の夏のことだった。神奈川県逗子市の海岸で巡り会った二人は、幼少期から互いに深い知性と感性を刺激し合う特別な関係を育んでいった。
当時の石原家・坂本家ともに文化的な嗜好が強く、海辺の街・逗子で過ごした少年少女の記憶は、後の慎太郎の文学的感性の原点ともなった。1955年、典子夫人がまだ津田塾大学在学中の17歳という若さで二人は婚約。翌1956年に正式に結婚式を挙げた。世間の常識にとらわれない若き日のふたりの選択は、その後の波乱万丈な人生を象徴する幕開けだったと言える。