1990年代半ばの日本芸能界において、彼女の登場は地殻変動にも似た衝撃をもたらした。従来の歌って踊るスタイルが中心だった80年代型のアイドル像が一段落し、よりリアルで等身大な存在が求められていた時代。その象徴となったのが、広末涼子が出演したNTTドコモのポケベルCMである。
「広末、利用中。」のフレーズとともに街中を駆け抜ける姿は、当時の若者たちのバイブルとなった。駅や街頭に貼られたポスターが次々と剥がされて盗まれる異例の事態が相次ぎ、企業側が防犯対策に追われたエピソードは今や伝説だ。90年代アイドルという概念そのものを劇的に再定義したこのCMは、彼女を時代のトップアイコンへと押し上げる決定打となった。