多くの視聴者の記憶に鮮烈に焼き付いているのが、救いのない運命に立ち向かい続けたすずの戦いと、あまりにも残酷な結末です。
第1シリーズにおいて、すずは母・陽子の治療費を稼ぐためにあらゆる理不尽に耐え抜きます。しかし、非情にも最愛の母は病に倒れ帰らぬ人となります。叔母・その子の悪辣な罠、更生施設での孤立、実父・悟志との骨肉の争奪戦を経て、すずは大人たちの欺瞞を完全に断ち切る決意を固めます。最終回では、唯一の理解者であった医師・新庄(保阪尚希)の支えを受けながらも、すずは自立を選び、「私はお金も同情もいらない、自分の力で生きていく」と毅然とした眼差しで前を向く幕切れとなりました。
翌1995年の『家なき子2』では、相関図はさらに複雑化します。すずは巨大財閥・牧村フーズ会長の隠し子騒動に巻き込まれ、冷酷な後継者・晴海(堂本光一)や、義理の姉妹たちとの血みどろの権力闘争に直面します。晴海は当初、冷淡にすずを排除しようとしますが、やがて彼女の不屈の魂に触れ、深い愛情と贖罪の念を抱くようになります。
しかし、待ち受けていた結末はあまりに悲劇的でした。最終回、すずを守るために身代わりとなった晴海は凶弾に倒れ、白銀の雪山ですずの腕に抱かれながら息を引き取ります。相棒のリュウをも失い、大切な人々をすべて奪われたすずは、激しい吹雪の中で一人立ち尽くします。それでも彼女は絶望に屈することなく、雪原の向こうを見据えて歩き出すという、人間の生存本能を極限まで描いた壮絶なラストシーンでした。