新潟県民会館の座席選びで最も議論を呼ぶのが、「大ホールの1階後方席」と「2階席」のどちらが快適に見られるかという問題です。実際に現地を訪れた観客の証言や現場の寸法データを検証すると、一般的なコンサート会場とは一線を画す特徴が浮かび上がってきます。
まず注目すべきは段差と傾斜の付き方です。1階席の1列から8列付近までは傾斜が非常に緩やかでフラットに近い状態が続きます。そのため、前方に背の高い観客が座るとステージ中央の足元が見えにくくなるケースが散見されます。一方で、9列〜10列目を越えたあたりから段差がしっかりと刻まれ始め、1階後方であっても前列の頭部が視界を遮りにくい構造へと変化します。
しかし、1階後方(23列以降)には特有の注意点があります。それは、頭上を覆うようにせり出している「2階席の底面(オーバーハング)」の存在です。視界の上半分が2階席の床で覆われるため、ステージ奥のセット上段や照明演出の一部が見えづらくなる「天井の圧迫感」を覚える観客も少なくありません。
対する2階席の視界は、劇場型ホール特有の「急激な傾斜」が最大の特徴です。すり鉢状に角度がつけられているため、前の人の頭が視界を妨げる心配はほとんどありません。ステージ上のフォーメーションや照明演出全体を俯瞰できるダイナミックなパノラマ視界が得られる一方で、高所が苦手な方にとっては足元に吸い込まれるようなスリルを感じるほどの傾斜となっています。