医療用ウィッグの購入先は、大きく分けて「大手サロン・対面専門店」と「オンライン通販(自宅試着対応)」の2系統に分かれます。価格帯は1万円前後のリーズナブルな既製品から、専任美容師によるカット調整込みで30万円を超えるオーダーメイド品まで様々です。この価格差を生む最大の要素が、「毛質の種類」と「インナーキャップの構造・縫製技術」にあります。
毛質には大きく「人毛100%」「人工毛(化学繊維)100%」「人毛・人工毛ミックス」の3種類が存在し、それぞれ外見の自然さや日々の扱いやすさに明確な違いがあります。
人毛100%は、人間の髪特有のしなやかな光沢と手触りがあり、至近距離で見ても非常に自然です。ドライヤーやヘアアイロンでのスタイリング、好みのカラーリングにも柔軟に対応できます。一方で、洗髪後にブローやセットが必要となる点や、湿気によるうねり・経年による退色が生じるため、丁寧なメンテナンスが求められます。
対して人工毛100%は、形状記憶性に優れており、洗ってもスタイルが崩れにくく、軽量で安価(1万〜4万円前後)という手軽さがあります。ただし、素材特有のテカリが出やすい傾向があり、襟足などの摩擦によって毛先が縮れやすい点がデメリットです。
現在、最もバランスが良い毛質として支持を集めているのが人毛ミックス(人毛30〜50%+耐熱人工毛)です。人毛の持つ自然な風合いを残しつつ、人工毛の形状記憶力によってセットの手間を最小限に抑えられます。価格帯も5万〜15万円前後と手頃な設定が多く、実用性と審美性の両立を求める多くの利用者に選ばれています。
また、肌に直接触れるベースネットには、経済産業省が制定したJIS規格(JIS S 9623「M.Wigマーク」)に適合しているかどうかが安全性の重要な指標となります。直接肌に触れる部分のホルムアルデヒド溶出量や皮膚刺激性、アレルギー試験をクリアした製品を選ぶことで、治療中の敏感な頭皮をトラブルから守ることができます。