事件の引き金となったのは、あまりにも古典的な「楽屋への挨拶回り」の有無だった。大先輩である紳助氏の楽屋へ、本番前に挨拶に行かなかったこと。それが帝王の逆鱗に触れたのだ。現代の感覚からすれば「挨拶一つでそこまで激怒するのか」と思われるかもしれないが、当時の芸能界、特に吉本興業を中心とする縦社会において、それは絶対的なルールだった。
東京03側には悪気があったわけではない。他事務所(プロダクション人力舎)所属であり、生放送直前の慌ただしさの中でタイミングを逸してしまったというのが実情だ。しかし、紳助氏にとっては「礼儀を欠いた若者」と映った。このボタンの掛け違いが、生放送中のあの惨劇を生むことになった。