くも膜下出血の主たる病態は、脳の太い血管にできた「脳動脈瘤」と呼ばれる血管のコブが破裂し、脳を覆うくも膜下腔に血液が急速に広がることで生じます。日本脳神経外科学会などの調査によると、くも膜下出血の原因の約80%以上が脳動脈瘤の破裂に起因しています。
大半の患者は予兆なく発症すると信じられがちですが、詳細な問診調査によると、本格的な大出血を起こす数日前から約2週間前の間に、破裂寸前の動脈瘤膨張やわずかな血液の染み出し(微小漏出=マイナーリーク)によって特有の初期症状が引き起こされるケースが少なくありません。この前兆を医学用語で「警告頭痛(Sentinel Headache)」と呼びます。
見逃されやすい代表的な前兆サインには、以下の4つのパターンが存在します。
- 警告頭痛の特徴:本格的な発作ほどの激痛ではなくても、「数分以内に痛みのピークに達する」「普段の偏頭痛や緊張型頭痛とは明らかに痛みの質が異なる」突発的な頭痛。
- くも膜下出血の前兆 首の後ろの痛み:出血した血液が髄膜を刺激することで生じる項部硬直。首筋から後頭部にかけて板のように硬くなり、前屈させると強い痛みが走る。
- くも膜下出血の前兆 目の異常:動脈瘤(特に内頸動脈・後交通動脈瘤)が拡大して動眼神経を圧迫することにより、片方のまぶたが下がる(眼瞼下垂)、瞳孔の大きさが左右で異なる(瞳孔不同)、物が二重に見える(複視)などの症状が出現する。
- くも膜下出血の前兆 吐き気・めまい:頭痛とともに突発的な強い嘔気や回転性めまい、一過性の血圧異常急上昇を伴う。