チーマーを語る上で欠かせないのが、同時期に存在した「暴走族」やその後に台頭した「カラーギャング」との違いです。同じ不良カルチャーでありながら、その生態や行動理念には明確な断絶が存在していました。
暴走族が改造バイクに乗り、特攻服を身にまとい、厳しい縦社会と明確な上下関係を重んじる「集団暴走組織」であったのに対し、チーマーは基本的に徒歩移動の都市型ストリート集団でした。服装も私服であり、厳格な上下関係よりも「気の合う仲間」「同世代の横のつながり」をベースとしたフラットな関係性を特徴としていました。渋谷という特定の繁華街をテリトリーとして占拠し、集団で威圧感を示すスタイルは、従来のヤンキー文化に対するカウンターでもあったのです。
一方、1990年代後半から2000年代初頭にかけて台頭したカラーギャングは、アメリカのストリートギャング(クリップスやブラッズなど)を模倣し、青や赤といった特定のシンボルカラーをバンダナやオーバーサイズウェアで身につける集団でした。チーマーがアメカジを中心としたリアルクローズの延長上にあったのに対し、カラーギャングはより記号化されたストリートスタイルを取り入れていた点が大きな違いです。