日曜の終わりを告げるエンディング曲『サザエさん一家』。テレビ放映では最後の家の中に吸い込まれていくシーンでおなじみですが、レコード等に収録されているフルバージョンの歌詞には、多くの視聴者が勘違いしやすい構成上の秘密があります。
テレビサイズでは、1番の「二階の窓を開けたらね」から始まり、間奏を経てサビへと突入しますが、実はフルサイズは全3番で構成されています。特に有名な「買い物しようと街へ出たら 財布を忘れて 愉快なサザエさん」というフレーズは、オープニングの歌詞と混同されがちですが、れっきとした『サザエさん一家』の2番の歌詞です。
歌詞の意味を深く読み解くと、作詞の林春生氏はサザエさんの朗らかでおっちょこちょいなキャラクター性と、三世代同居の磯野家が織りなす「何気ない日常の肯定」を一貫して描いています。家族全員が笑い合って手をつなぐ姿を描写した3番のラストは、高度経済成長期から現代に至るまで、日本人が抱く理想の家族愛を端的に象徴しています。