嗣永桃子の引退は、スキャンダルや人気低迷によるものではなく、キャリアの絶頂期に自ら決断した計画的引退でした。2002年にハロー!プロジェクト・キッズとして10歳で加入して以来、Berryz工房の中心メンバーとして活動し、グループ活動停止後はカントリー・ガールズのプレイングマネージャーとして後輩育成に尽力しました。
バラエティ番組では「ももち結び」と強烈なキャラクターで一世を風靡し、タレントとしての地位を確立していましたが、本人の胸中には常に「教育」という明確な第2の人生設計が存在していました。2016年11月に行われた引退発表会見において、彼女は次のように語っています。
「もともと興味のあった幼児教育について一から学び、子どもたちの成長に寄り添う仕事に就きたい。アイドルとしての活動に悔いは一切ありません」
この言葉通り、2017年6月30日に青海野外特設会場で開催されたラストライブ『嗣永桃子ラストライブ ♥ありがとう おとももち♥』では、小指をたたんでマイクを置く演出とともに、15年間にわたるアイドル人生に自ら完璧なピリオドを打ちました。この引き際の潔さは、平成・令和のアイドル史において稀に見る「完全な幕引き」として語り継がれています。