学術分野において、この現象は「性交後不快気分(PCD:Post-Coital Dysphoria)」と定義されている。行為自体の合意や満足度とは関係なく、直後に強い悲しみやイライラ、空虚感が襲ってくる症状を指す。
生理心理学の知見によれば、絶頂時にピークに達したドーパミンやオキシトシンといった脳内物質が、直後に急激に低下することが直接的なトリガーだ。ジェットコースターのように乱高下する化学物質の波に、感情の制御機能が一時的に追いつかなくなる。急に一人になりたくなったり涙がこぼれたりするのは、心が拒絶を起こしているのではなく、脳が急速にクールダウンしようとブレーキをかけている証拠と言える。