猛暑のピーク時に発生する体内トラブルの多くは、大量の発汗による重大な血流障害から始まる。体が熱を外へ逃がそうと皮膚表面の血流を増やす一方、体内の水分と塩分が失われて深刻な脱水症状に陥るのだ。血液はドロドロの粘度を増し、脳へとつながる細い血管を塞ぎやすくなる。これが、夏場に脳梗塞の発症リスクが急上昇するメカニズムだ。
問題は、初期段階における身体反応の重なりにある。めまい、立ちくらみ、頭痛、強い倦怠感。厚生労働省の啓発キャンペーンでも注意が促されている通り、熱中症の初期サインと脳血管障害の初期症状は極めて似通っている。素人目には「涼しい部屋で休ませて水を飲ませれば治る」と思われがちだが、もし原因が脳の血栓にあれば、水を与えて安静にさせている数十分間こそが命取りになりかねない。