一門の看板を背負い、揺れる屋台骨を支え続けているのが市川中車だ。伝統的な家系において異色の経歴を持つ彼が、一門の弟子たちや若手を率いて公演を成功させようと奔走する姿は、関係者の涙を誘う。テレビドラマでも圧倒的な存在感を示してきた中車だが、伝統芸能の舞台を守る重責はあまりにも重い。
澤瀉屋が直面した激震は、歌舞伎という閉ざされた世界にとどまらず、広く芸能界全体へも大きな波紋を広げた。名門の暖簾をどう守り、継承していくのか。伝統を守る古典の枠組みと、革新を求める興行の現場との間で、各所が苦渋の決断を迫られている。