医師が気管支鏡検査を強く推奨する主たる理由は、CT画像だけでは判別できない病変の正体を特定する「確定診断」を下すためです。特に肺がんの疑いがある病変に対する肺生検(組織・細胞採取)は、その後の治療方針を決定づける最重要プロセスとなります。
採取された検体は、単に良性・悪性を判定するだけでなく、がんの組織型(腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん等)の特定や、分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測する「遺伝子変異解析(EGFR、ALK、ROS1、PD-L1発現率など)」に用いられます。適切な治療薬を選択するための必須ステップです。
近年、末梢の小さな病変に対する生検精度を劇的に向上させたのが、超音波気管支鏡(EBUS:Endobronchial Ultrasound)およびガイドシース法(EBUS-GS)です。スコープの先端に超音波プローブを内蔵し、CT画像と連動した仮想ナビゲーションシステムを併用することで、従来のX線透視下では確認が難しかったミリ単位の微小結節にも正確に到達できるようになりました。これにより、無駄な再検査や診断不能率が大幅に低減しています。