個人の体験談にとどまっていた事象を、厳格な査読基準を持つ学術研究へと引き上げたのが、米バージニア大学医学部精神科の主任教授を務めたイアン・スティーヴンソン博士(1918〜2007)です。博士が立ち上げた知覚研究部門(DOPS)によるバージニア大学の輪廻転生研究は、現在もジム・タッカー教授らに引き継がれ、2026年現在までに世界中から集められた調査事例は2500件以上に達しています。
スティーヴンソン博士の研究が国際的に高く評価された最大の要因は、徹底して客観性にこだわった前世記憶の科学的検証手法にあります。博士は、子どもが前世の記憶を口にした際、まだ両親が対象の故人家族と接触していない段階で現地へ急行。子どもの証言内容を詳細に記録・テープ保存した上で、遠隔地の村や都市へと赴き、該当する人物が実在したかをカルテ、死亡診断書、戸籍簿と一項目ずつ照らし合わせました。
その調査プロトコルは極めて冷徹であり、親による誘導尋問の痕跡がないか、事前にラジオや旅行などで情報を得る経路がなかったかを徹底的に排除するものでした。高名な医学雑誌『Journal of the American Medical Association (JAMA)』誌上でも、「スティーヴンソン博士は、科学的懐疑主義者であっても無視できない大量の証拠を、情熱的かつ誠実に収集した」と評されたほどです。学術の世界において、これらの実話はすでに「無視できない客観的データ」として扱われています。