かつてファッションモデル業界の中心で活躍していた山野ゆり。洗練されたスタイルと親しみやすい笑顔で同世代の女性から圧倒的な支持を集めていた彼女の転機は、日常の何気ない食卓にあった。幼い頃から好きだったパンへの好奇心が、いつしかライフワークへと変貌を遂げていく。
単なる「趣味の食べ歩き」で終わらせないのが彼女の真骨頂だった。自ら粉に触れ、発酵を見つめ、職人の哲学に耳を傾ける。流行のスイーツを追いかける軽薄さは微塵もない。ひたむきに小麦の奥深さを探求するストイックな姿勢が、彼女を特別なポジションへと押し上げた。