食事中の油ハネや化粧品の付着から数日が経過した油染みは、空気中の酸素と結びついて「過酸化脂質」へと化学変化を起こしています。この状態になると、油分が繊維の微細構造に入り込んだまま樹脂のように硬化するため、水溶性の汚れを落とす一般的な洗濯機洗いでは太刀打ちできません。
しかし、油染み落とし方で時間が経ったケースであっても、油を「溶かす(溶解)」「浮かせる(乳化)」「分解する(アルカリ・酸化還元)」という3段階の物理化学的プロセスを順序立てて踏めば、繊維を傷めずに汚れだけを分離させることが可能です。
重要なのは、いきなり冷水につけたり強くこすったりしないことです。繊維の目を広げずに油の凝固点を上回る温度環境を整えることが、完全復活への第一歩となります。