かつての日本のドラマ界を席巻していたのは、どんな逆境にもめげずに笑顔で立ち向かう「雑草系ヒロイン」だった。しかし、時代は変わった。2026年現在、ヒット作の多くで主役、あるいは物語の鍵を握る重要人物としてキャスティングされるのは、どこか陰りのあるキャラクターだ。
このシフトの背景には、世界的なストリーミングサービスの普及がある。NetflixやU-NEXTなどが制作するオリジナルドラマは、地上波よりも人間のドロドロとした本質や、社会の不条理に深く切り込む。そこで求められるのは、ただ明るいだけのキャラクターではない。人生の重みに耐えかねて今にも壊れてしまいそうな、しかしその中に強い芯を秘めた人物像だ。この時代の要請に合致したのが、憂いを帯びた表現者たちだった。