インターネットやSNSの一部コミュニティでは、定期的に「上白糖危険説」が再燃します。「上白糖は薬品で白く漂白されている」「骨を溶かす」「依存性が麻薬と同じ」といったセンセーショナルな言説ですが、これらの上白糖危険性の真相はどうなのでしょうか。農林水産省や製糖工業会の公式見解、生化学的な見地から検証します。
まず代表的な誤解が「漂白剤で白くしている」という説です。結論を述べれば、製造工程で漂白剤などの化学薬品は一切使用されていません。砂糖が無色透明な純度の高い結晶であることは科学的な事実です。雪が透明な氷の粒でありながら白く見えるのと同じで、砂糖の微細な結晶が光を乱反射(散乱)させることで、人間の目には白く見えているに過ぎません。
次に「砂糖を食べると骨からカルシウムが溶け出す」という言説です。これは「砂糖の過剰代謝で体液が酸性に傾き、中和するために骨のカルシウムが使われる」という古い仮説に基づいています。しかし、人間の血液や体液は重炭酸緩衝系や腎臓・呼吸の働きによって常にpH7.35〜7.45の弱アルカリ性に保たれており、砂糖の摂取によって骨が溶け出すことは現代医学で完全に否定されています。
もちろん、上白糖はGI値(食後血糖値の上昇指標)が高く、急激な血糖スパイクを招きやすい食材であることは事実です。過剰に摂取すれば肥満、2型糖尿病、う蝕(虫歯)のリスク要因となることは世界保健機関(WHO)の指針でも明確に警告されています。しかしそれは「上白糖特有の毒性」ではなく、「炭水化物・遊離糖類の過剰摂取」という摂取量の問題です。適切な分量を調理に用いる限り、人体に害を及ぼすような毒性は存在しません。