中国国内でメガヒットが生まれる一方、海の向こうの欧米マーケットを直接こじ開けた立役者が、成都を本拠地とする4人組ラップグループ「Higher Brothers(海爾兄弟)」と、アジア系カルチャーレーベル「88rising」の存在です。
メンバーの馬思唯(Masiwei)、丁震(KnowKnow/DZknow)、楊俊逸(Psy.P)、謝宇傑(Melo)からなるHigher Brothersは、四川弁・英語・北京語を縦横無尽に行き来する変幻自在のスキルを武器に頭角を現しました。ショーン・ミヤシロ率いる88risingが目をつけ、2017年にドロップされたHigher Brothersの人気曲「Made in China」は、世界中に文字通りの衝撃を与えました。「安かろう悪かろう」というメイド・イン・チャイナのネガティブなステレオタイプを、極上のユーモアと洗練されたフロウで「世界中の服もiPhoneもお前の彼女のピン留めも、全部中国製だ」と誇らしげにひっくり返してみせたのです。
このビデオがYouTubeに公開されると、MigosやPlayboi Carti、Lil Yachtyといった本場アメリカのトップラッパーたちがリアクション動画で「こいつら本物だ」「フロウが異次元すぎる」と絶賛。88risingの中国ラッパーとして、ニューヨーク、ロサンゼルスでの全米ツアーを即完売させました。彼らの成功によって「成都(CDC=Chengdu City)」は、米アトランタや英ロンドンと並ぶ、世界のヒップホップ重要拠点として国際的な認知を勝ち取ったのです。