毛ガニの真骨頂は、なんといっても他のカニとは比較にならないほどクリーミーで甘みのあるカニ味噌です。正しく処理された毛ガニなら、生臭さは一切なく、上質なウニやレバーペーストのような深いコクを楽しめます。
まずはスプーンでそのままひとくち味わい、その芳醇な香りを堪能してください。続いて試していただきたいのが、ほぐした足肉や胴体の身をカニ味噌にたっぷりと絡める「カニ身の味噌和え」です。甘酸っぱいカニ酢をつけるのも一興ですが、上質な毛ガニであれば調味料は一切不要で、身の甘みと味噌の塩気だけで極上の逸品になります。
また、多くの方が捨ててしまいがちな「ふんどし(前掛け)」の内側にある身は、運動量が多いため非常に筋肉質で、独特のシコシコとした歯ごたえがあります。ふんどしの殻の内側についている薄皮を剥がすと、濃厚な旨味を持つ希少部位が隠れていますので、絶対に捨てずに味わってください。
そしてフィナーレを飾るのが、カニ味噌を少しだけ残した甲羅を使って作る「毛ガニの甲羅酒」です。
【絶品・甲羅酒の黄金手順】
- 甲羅の中にカニ味噌をティースプーン1杯分ほどあえて残しておく。
- 甲羅を魚焼きグリルまたはオーブントースターに置き、弱火で1〜2分軽く炙り、甲羅の香ばしい匂いを立たせる(焦げ付かないよう注意)。
- 75〜80℃の熱燗に温めた辛口の純米酒を、甲羅の8分目まで注ぎ入れる。
- スプーンで残ったカニ味噌を酒の中に優しく溶かし込み、甲羅のフチに口をつけていただく。
炙られた甲羅のキチン質由来の香ばしさと、溶け出したカニ味噌のアミノ酸が日本酒に溶け合い、料亭でしか味わえない極上のマリアージュが完成します。