スイッチを入れても灯かない時、真っ先に疑うのはランプ切れや点灯管(グロー球)の寿命だろう。しかし、ここに大きな落とし穴が潜んでいる。長年使い続けた照明器具内部の安定器が経年劣化している場合、単にランプを新品に交換しても点灯しないばかりか、最悪の場合は発熱や発煙といった火災トラブルを招きかねない。
照明コンサルタントの分析によると、器具本体の安全寿命は約10年と定められている。外見に異常がなくても、油煙や湿気に晒され続けるキッチンの過酷な環境下では、内部基盤の劣化が通常より早く進む。さらに、既存の器具にそのまま装着できると謳う安価な直管型LEDランプを安易に取り付ける「バイパスなし交換」には極めて注意が必要だ。安定器の回路設計とLEDランプの仕様が合致しない場合、過電流による素子破壊や器具の焼損事故につながるケースが後を絶たない。単なる球切れと侮り、互換性のないLEDを差し込む行為は事故への直行便となり得る。