「大人になってから鼻が成長することはない」と考えられがちですが、実際には加齢現象によって鼻が物理的に肥大化・変形して見える現象が起こります。その主たる要因は、鼻そのものが巨大化しているのではなく、「土台となる骨の萎縮」と「支持組織の劣化」です。
人間の頭蓋骨は、40代以降に徐々に骨密度が低下し骨吸収が進みます。特に鼻の穴の土台部分である「梨状口(りじょうこう)」と呼ばれる骨の開口部は、加齢に伴って外側・下側へと拡大していくことが形成外科学の画像解析で実証されています。土台の骨窓が広がることで、その上に乗っている鼻翼軟骨(小鼻を形成する軟骨)が外側へ落ち込み、結果として鼻の穴が広がり横幅が強調されることになります。
さらに、鼻先を高く支えている結合組織(靭帯やコラーゲン線維)が弾力を失うと、重力に抗えなくなった鼻先が徐々に垂れ下がる「鼻尖下垂(びせんかすい)」が発生します。鼻先が下を向くと、正面から見た際に小鼻の横広がりがより強調され、全体として「鼻が昔よりでかくなった」という印象を決定づけます。