レイを象徴する最大のギミックが、興奮や怒りによって巨大な「牛虎」へと変身する体質だ。日本の伝統的な鬼のイメージ――牛の角を生やし、虎の皮のパンツを履くという意匠を、高橋留美子はキャラクターの生理現象として見事に昇華させた。
彼が牛虎化するトリガーは、感情の激昂や空腹だ。変身すると人型時の美貌は消え去り、家屋を破壊し街を混乱に陥れる怪獣と化す。この変身理由は、鬼族という架空の種族が持つ生態の面白さを描くと同時に、彼の底なしの食欲(大食いキャラ)という属性を補強する構造になっている。美形キャラを容赦なくギャグのネタにする高橋留美子の真骨頂がここにある。