事件が発生したのは2016年12月11日の深夜。東京都世田谷区の道路を走行していた井上の自家用車が、並走するタクシーと接触した。相手側ドライバーの負傷が判明したにもかかわらず、車を停止させずに走り去ったことで「当て逃げ」の疑いが持たれた。事故直後、現場の目撃証言や防犯カメラの映像解析が進み、車両の所有者として井上の名前が浮上するまでに時間はかからなかった。
なぜその場で車を止めなかったのか。のちの事情聴取で井上は、「音には気づいたが、事故だとは思わなかった」「世間に知られる恐怖から動転してしまった」と心情を打ち明けた。パニックに陥った人間の心理が招いた過ちとはいえ、プロのお笑い芸人としての社会的責任を問う声は厳しく、世間の風当たりは日に日に強まっていった。