選手側の要求に対し、日本野球機構(NPB)および12球団経営陣の態度は慎重だ。球団側は「戦力均衡の維持」や「地方球団の育成コスト回収」を理由に挙げ、安易なFA短縮には難色を示し続けている。
日本プロ野球選手会は法的な労働組合として結成されて以来、ストライキ権を行使した歴史も含め、経営陣と対等に渡り合ってきた。移籍の自由化が進めば特定球団への戦力偏重が起きるというNPB側の懸念に対し、選手会側は「適正な年俸市場の形成こそが全体の価値を高める」と反論する。
労使交渉の場では、単なる金銭的要求を超えた制度設計の精緻化が進められている。お互いの譲れない一線が交錯する中で、いかにして球界全体の持続的発展と選手個人の尊厳を両立させるかが問われている。