彼の視覚的表現の原点は、ボカロシーンを震撼させた「ハチ」名義での活動期に遡る。自作の怪しげで魅力的なイラストで楽曲の世界観を補完し、自身の身体性は意図的に隠匿されていた。インターネット空間のシンボルとして機能していた時代から、ソニー・ミュージックレーベルズへの移籍を経てメジャーシーンのど真ん中へと躍り出たことで、彼とビジュアルの関係性は劇的な転換を迎える。
肉体を持った一人の歌い手としてステージに立ち、カメラのレンズに対峙するプロセスの中で、ボカロ時代のアイコン的イメージは生身の表現者へと脱皮を遂げた。イラストから実像へ。その架け橋となったのが、彼固有の長身とミステリアスな顔立ち、そして静けさを纏った佇まいだった。