バックネット裏でカメラを構えるのは、スカウトや報道陣だけではない。各校のアナリストを担当する部員たちが、タブレット端末を手に投球のトラッキングデータをリアルタイムで分析している。球速や回転数、変化球の曲がり幅はもちろん、相手打者のカウントごとのスイング傾向がその場でベンチへ共有される時代だ。
公立の進学校から地方の気鋭校まで、データ活用はもはや一部の強豪校だけの特権ではない。資金力や練習環境の格差を、データと工夫で埋める「下克上」が今年の甲子園でも相次いでいる。感性や直感だけに頼らないスマートな戦略が、長年の勢力図を急速に塗り替えつつある。