加熱調理の現場において、半固形化したオイルを使用することはどのような影響をもたらすのだろうか。調理科学の視点から分析すると、固まったままのオイルをフライパンに投入しても、加熱によって素早く液体化するため、炒め物などの熱調理における物性上の問題はほとんど生じない。
しかし、ドレッシングやカルパッチョのように生のまま回しかけて使用する場合、部分的な結晶が残っていると口当たりが重くなり、独特のなめらかな乳化や舌触りが阻害される。また、香りの立ち上がりも低温下では抑えられてしまう。生の芳醇な風味を最大限に引き出すためには、必ず完全に透明な液体に戻してから使用するのが調理上のセオリーである。