本人が最も嫌悪していた「商業化」という巨大な渦は、皮肉にも没後32年が経過した今もなお彼を包み込み続けている。高級ハイブランドのランウェイにはグランジ風のルックが並び、ファストファッションの店頭にはニルヴァーナのスマイルマークTシャツが大量に吊るされている。
しかし、本質を知るファンや新世代のリスナーたちは、その商用化された記号の奥にある歪んだノイズにアクセスし続けている。消費尽くすことのできない青臭い怒りと純粋さが、皮肉な商業主義のフィルターを今なお突破し続けている事実にこそ、彼の本質的な凄みがある。