『ありがとう第4シリーズ』の最大の魅力は、日本中を虜にした水前寺清子と山岡久乃による息の合った母娘の掛け合いです。当時のテレビ情報誌や制作陣の回顧録によると、二人の丁々発止のやりとりは台本を超えた阿吽の呼吸で成り立っており、お茶の間に本物の家族のような安心感を提供していました。
本作において主人公・吉(水前寺清子)の相手役を務めたのは、当代きっての知性派名優・石坂浩二です。医師や獣医役で人気を博した過去シリーズに続き、第4シリーズでも吉の心を通わせる重要なキーパーソン・吉岡健を好演しました。さらに、佐良直美、芦田伸介、乙羽信子、井上順、長山藍子、研ナオコ、大空真弓、岡本信人といった、当時の芸能界を代表する実力派スターが脇を固めました。
作家・平岩弓枝による繊細な心理描写と人間味あふれるセリフ回しは、登場人物一人ひとりに血を通わせました。単なる善人劇にとどまらず、下町で生きる庶民の意地や葛藤、哀愁を見事に描き切った点が高く評価されています。