迎え舌は単なる「だらしなさ」だけで片付けられる問題ではありません。解剖学的な骨格の特徴、口腔機能の未発達、幼少期の食環境など、複数の要因が絡み合って発生します。
主な原因として、以下の4点が挙げられます。
1. 低位舌(舌の筋力低下)と口呼吸
通常、安静時の舌は上顎の天井部分(口蓋)にピタリと密着しています。しかし、口周りの筋力が衰えている人や口呼吸が定着している人は、舌が下に落ちる「低位舌」に陥っています。低位舌の人は舌を前に押し出す筋肉の緊張が強いため、摂食時に反射的に舌が前進してしまいます。
2. 不適切な姿勢と食器の扱い
日本の伝統的な和食マナーでは「器を手に持って食べる」ことが基本ですが、器をテーブルに置いたまま前傾姿勢で食べる「犬食い」に近い状態になると、口と器の距離が遠くなります。食べ物をこぼさないようにしようとする防衛本能が働き、無意識に舌を伸ばしてキャッチしようとする癖が定着します。
3. 幼少期の離乳食・スプーンの食べさせ方
親のしつけや幼児期の食習慣も深く関係しています。離乳食期に親がスプーンを子どもの口の奥まで押し込まず、唇の手前でスプーンを引いてしまうと、子どもは舌を突き出して食べ物をすくい取る動作を覚えてしまいます。この誤った嚥下(えんげ)パターンが大人になっても修正されずに残るケースが多々あります。
4. 受け口(反対咬合)や舌小帯の短縮
下顎が前に出ている噛み合わせや、舌の裏の筋(舌小帯)の形状といった身体的構造が影響し、物理的に舌を前に出しやすい口腔環境になっている場合もあります。