現代の保育園給食は「食べさせる」だけでなく「育てる」機能を持つ。食育基本法(2005年施行)以降、給食を教材とした多様なプログラムが開発されてきた。
「クッキング保育」はその代表例だ。4〜5歳児クラスで、野菜の皮むき、型抜き、混ぜる作業などを体験させる。自分が作った料理は格別で、普段は苦手な野菜も食べられるようになる子どもが多い。包丁の使い方、火の危険性など、生活の基本的な知識も身につく。
「栄養三色分類」を使った指導も一般的だ。食材を赤(体をつくる)、黄(エネルギーになる)、緑(体の調子を整える)の3色に分類し、視覚的に栄養バランスを理解させる。給食時間に「今日の赤は何かな?」と問いかけることで、子どもたちは自然に栄養への関心を持つようになる。
「苦手克服」ではなく「食への興味」を育む
かつては「全部食べるまで席を立てない」という指導が一般的だったが、現在は大きく変わった。無理強いは食事自体を嫌いにさせるリスクがある。現代の保育園では「一口チャレンジ」や「お友達が食べている様子を見る」など、プレッシャーをかけない方法で、少しずつ食べられるものを増やしていく。
「食べられた!」という小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感を育む。保育士は「苦手なトマトを一口食べられたね!すごい!」と具体的に褒め、達成感を共有する。この肯定的なアプローチが、生涯にわたる健全な食習慣の土台となる。