1978年、日本のファッションシーンがまだ欧米ブランドの影響下にあった時代。今井ちえ氏は「ロイヤルチエ」という名でファーとレザー専門のアトリエを東京に開いた。当時、日本国内でファーは主に寒さをしのぐ実用品として認識されていた。
だが今井氏のビジョンは違った。
彼女が目指したのは、ファーを単なる防寒具ではなく、アートと機能性が融合したファッションアイテムへと進化させることだった。1980年代から1990年代にかけて、ロイヤルチエは日本国内で徐々に知名度を高めていく。バブル経済期の消費者の旺盛な購買意欲も追い風となり、高級ファーへの需要が拡大した。
2017年、ブランドは大きな転機を迎える。グローバル市場を見据えたリブランディングの一環として、社名を「CHIE IMAİ」へと改称したのだ。この変更には、創業者の名前を前面に押し出すことで個人の哲学とブランドアイデンティティを一体化させる狙いがあった。同時に、デジタル時代における国際的な認知度向上も視野に入れていた。