本作が描くのは、従来の王道ファンタジーとは一線を画す重厚なダークファンタジーの世界である。過酷な運命に翻弄される主人公たちが辿り着く異形の村、それが物語の核となる。静寂と狂気が背中合わせに存在する緻密な美術設定は、観客の心理を容赦なく揺さぶり続ける。
ストーリー展開も破天荒そのものだ。序盤の平穏な日常から一転、中盤以降は裏切りと恐怖が交錯する怒涛の展開へとなだれ込む。単なる勧善懲悪ではなく、人間の業や救済の真義を問う重厚なドラマ性が組み込まれており、革新的なアニメーション映画としての新たな地平を切り拓く出来栄えとなっている。