学術的なアプローチに目を向けると、心理学の世界では「笑われること」への強い恐怖を指す「ゲロトフォビア」の研究が知られている。チューリッヒ大学のウィリバルト・ルッフ教授をはじめとする研究チームは、他者の笑い声に対して妄想的な恐怖を抱く心理機序を長年分析してきた。
日本国内で話題となる失笑恐怖症は、自身が意図せず笑ってしまう恐怖を主軸とするが、その根底には「他者から評価され、失敗を軽蔑されることを恐れる」心理が共通している。この性質は、精神医学上の社交不安障害が持つ症状スペクトラムと極めて近い領域に位置づけられる。