モノの名前には、開発者が込めた願いや誕生のドラマが色濃く反映されています。
お弁当用醤油容器のパイオニアであるランチャームは、「ランチ(昼食)」と「チャーム(魅力的な小道具)」を組み合わせた造語です。昭和20年代後半、それまでガラス瓶や陶器で重く割れやすかった醤油入れを、ポリエチレンの成形技術を活用して軽量かつ安価に量産化したことで、日本の駅弁文化やお弁当文化の発展に大きく貢献しました。
また、気泡緩衝材プチプチの正式名称とその歴史もユニークです。1957年にアメリカの技術者が「立体的なプラスチック製の壁紙」を作ろうとして偶然生まれた副産物が発端でした。壁紙としての販売には失敗したものの、空気を閉じ込めた二重構造がクッション性に優れていることに着目し、精密機器や陶器を衝撃から守る画期的な緩衝材へと転換されました。日本国内シェア約50%を誇る川上産業では、粒の中に稀に「ハート型」の気泡を忍ばせるなど、機能性だけでなく遊び心を込めた展開でも知られています。