歴史を紐解けば、学祖・大隈重信は早稲田に「医術と学問の融合」を強く買い求めていたとされる。法学、政治経済学、文学、理工学を揃え、総合大学としての確固たる地位を築きながらも、医学の領域だけが抜け落ちていたことは、同校にとって歴史的な宿題だった。
だが、同校は手をこまねいていたわけではない。自前の臨床現場を持たないハンデを逆手に取り、理工学部を中心に先進的な生命医科学科を設立。ナノテクノロジーやバイオインフォマティクス、医療用ロボティクスといった最先端分野で世界水準の研究成果を上げてきた。医学部を持たないからこそ磨かれた独自の異分野融合アプローチは、現在の研究現場でも強力な武器として機能している。