作品を長年観ているファンでも、彼女の本名を即答できる人は少ないかもしれない。彼女の名前は「源美智子(みなもと みちこ)」。原作者である藤子・F・不二雄が描いた原作コミック(小学館刊)の初期には名前の設定がなく、単に「お母さん」と呼ばれていた。しかし、連載が長期化しキャラクターの家族構成や背景が深まるにつれ、後付けの形で名前がしっかりと定義された経緯がある。
美智子という名前には、昭和のよき家庭を守る賢妻良母のイメージが投影されている。バイオリンの練習に励む娘を応援し、時には厳しく叱る姿は、当時の日本における標準的な母親像そのものだ。日常の何気ない一コマに漂う気品と生活感の絶妙なバランスこそが、彼女というキャラクターの魅力を形成している。