さらに視点を広げると、歴史的な事件や政治的謀略に結びつけられた説も存在します。その代表例が「処刑場説」です。この解釈では、「かごめ」は罪人を囲む竹垣、「籠の中の鳥」は牢獄の囚人を意味します。
処刑台に座らされた罪人の首が刀で刎ね落とされた瞬間、胴体から離れた生首が地面に転がり、切り離された胴体の背中側を見つめる――この凄惨な光景こそが「後ろの正面だあれ」の真意であるという主張です。また、「鶴と亀が滑った」は首と胴体のバランスが崩れて滑り落ちる様子を暗喩しているとも語られます。
もうひとつのロマン溢れる仮説が、徳川埋蔵金のありかを示した暗号(トレジャーマップ)説です。徳川幕府のブレーンであった天海僧正(明智光秀の生き残りとも噂される人物)が仕掛けた謎解き歌であり、日光東照宮や周辺の寺社を結ぶ結界を表しているとされます。
日光東照宮の奥社には鶴と亀の像が配置されており、朝日の影が伸びる方向(夜明けの晩)を辿ると、ある特定の場所(後ろの正面)に黄金が眠る場所が浮かび上がるという仕掛けです。言葉の矛盾(夜明けなのに晩)を幾何学的な座標のズレとして解釈するこの説は、歴史ファンの間で長く語り継がれています。