安倍家のルーツを紐解くと、日本の近現代史そのものと言っても過言ではない巨大な政治家ネットワークが浮かび上がります。父は外務大臣や自民党幹事長を歴任し「プリンス」と呼ばれた安倍晋太郎氏。母は「昭和の妖怪」と称された第56・57代首相・岸信介氏の長女である安倍洋子氏です。さらに大叔父にはノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相が名を連ねます。
この名門家庭に生まれたのが、寛信氏(長男)、晋三氏(次男)、信夫氏(三男)の3人です。外見や佇まいは似通いながらも、それぞれが選んだ進路は明確に分かれました。
長男の寛信氏は、幼少期から学業優秀で周囲から将来の出馬を嘱望されながらも、一貫して民間実業の世界を選択。次男の晋三氏が父の秘書官を経て政界の階段を駆け上がり、国の最高指導者へと登り詰めました。そして三男の信夫氏は、大手商社勤務を経て40代半ばで政界へ転身し、兄を安全保障の要として支え続けました。「3人それぞれの役割分担」が、結果として安倍・岸一族の権勢を強固なものにしたと言えます。