経費精算を巡るトラブルの多くは、昭和から平成にかけて定着した「宛名は上様で」「但し書きはお品代で」という古い商慣習を漫然と続けている現場から生じています。税務調査の現場において、このような曖昧な領収書はどのように扱われるのでしょうか。
国税局OBや税理士法人の指摘によると、税務調査官が真っ先に目を光らせるのは「事業との関連性が書類単体で説明できるかどうか」です。但し書きに「お品代」「書籍代等」「ご飲食代」としか書かれていない手書き領収書は、具体的に何を購入したのかが分かりません。私的な私物購入や家族での外食を経費に付け替えているのではないかという疑念を持たれる直接の引き金になります。
「レシートを捨ててわざわざ『お品代』の手書き領収書をもらい直す」という行為は、経費の証明力を自ら引き下げているに等しい行為です。品名が1点ずつ印字されたレシートであれば、例えば文房具の購入なのか、贈答用の菓子折りなのかが客観的に証明できます。万が一、手書き領収書を受け取る場合であっても、「〇〇プロジェクト用消耗品代」「〇〇様との打ち合わせ飲食代」など、具体的かつ客観的な但し書きを記載してもらうことが鉄則です。