このブームがもたらす最大のメリットは、患者のリハビリに対するモチベーションの向上だ。「あの先生に会えるから、辛いリハビリも頑張れる」。都内の整形外科クリニックに通う70代の女性は、そう嬉しそうに話す。リハビリは継続が命だ。しかし、痛みを伴う退屈な運動を続けるのは容易ではない。そこに「好感の持てるセラピスト」という要素が加わることで、治療への主体性が生まれるケースは実際に多いという。
その一方で、懸念の声も根強い。一部のインフルエンサーセラピストが、自己プロモーションを優先するあまり、科学的根拠(エビデンス)の薄いストレッチ法を誇張して紹介したり、勤務中の様子を不適切に撮影して投稿したりする事例が散見されるからだ。医療従事者としてのプロ意識よりも、SNSでの「いいね」を優先する姿勢には、同業者からも冷ややかな視線が注がれている。