玉置浩二の音楽的ルーツは、北海道旭川市にあります。1973年、玉置浩二を中心に武沢豊、矢萩渉、六土開正、田中裕二の5人で結成された安全地帯は、旭川郊外の廃屋同然の農作業小屋を自らの手で改装し、「合宿所」として過酷な共同生活をスタートさせました。朝から晩まで寝食を共にしながら演奏技術を磨き抜いた日々が、バンドの鉄壁のアンサンブルの基盤となります。
彼らの卓越した演奏力にいち早く目をつけたのが、シンガーソングライターの井上陽水でした。1981年に上京した安全地帯は、井上陽水のバックバンドを務めながら実力を蓄え、1982年『萠黄色のスナップ』で待望のメジャーデビューを果たします。
そして1983年、サントリーのCMソングに起用された『ワインレッドの心』がミリオンセラーを記録。作詞・井上陽水、作曲・玉置浩二によるこの名曲は、日本中に安全地帯旋風を巻き起こしました。続く1984年には『恋の予感』、1985年には『悲しみにさよなら』『碧い瞳のエリス』と、リリースする楽曲がことごとくチャート1位を記録。洗練された都会的なポップロックと玉置の濃密なボーカルは、80年代の日本の音楽シーンを完全に席巻しました。