古くから「喉の痛みや風邪予防には金柑」と伝えられていますが、ネット上では「加熱すると栄養がすべて壊れる」「生のまま大量に食べれば喉が治る」といった極端な言説も見受けられます。
日本食品標準成分表や機能性研究の知見に基づくと、金柑の皮にはビタミンCだけでなく、ポリフェノールの一種であるヘスペリジン(ビタミンP)が極めて豊富に含まれています。ヘスペリジンは毛細血管を強化し、ビタミンCの吸収を助ける働きがあります。市販薬やトローチでも親しまれる金柑のど飴効果の背景には、皮に含まれる精油成分の抗炎症作用と、蜂蜜や糖分による粘膜保護作用の相乗効果があります。
ただし、加熱調理によって熱に弱いビタミンCはある程度減少します。そのため、「喉の違和感をケアしたい」「手軽に栄養を摂りたい」という目的であれば、薄切りにして蜂蜜に漬け込んだ非加熱のシロップをお湯割りにして飲むスタイルが科学的にも最も理にかなっています。