盃を交わすの真の意味とは?神事の由来からビジネスの作法まで解説

盃を交わすの真の意味とは?神事の由来からビジネスの作法まで解説

盃を交わすの真の意味とは?神事の由来からビジネスの作法まで解説について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。

「盃を交わす」という風習が定着した源流には、古代日本の神事である「直会(なおらい)」があります。神前にお供えした御神酒(おみき)や神饌(しんせん)を参列者全員でいただくことで、神の神徳を体内に宿し、人と神の一体化を図る儀式です。やがてこの儀礼が人間関係の誓約へと応用されていきました。

中世から近世の武家社会に入ると、主従関係の成立や同盟の締結において「盃事(さかずきごと)」が制度化されます。主君が家臣に盃を下賜し、家臣がそれを拝受して飲み干すことで、「主君のために命を捨てる」という一方通行の絶対的忠誠が誓われました。これが後世に伝わる「親子盃」の原型です。

さらに江戸時代には、宮大工や刀鍛冶、商人などの徒弟制度(職人社会)や、運送・土木を担う講(こう)の組織化に伴い、血のつながりのない他者同士を「親方と弟子」「兄弟子と弟弟子」として擬制家族化するための儀礼として広く浸透しました。盃事は、契約書という書面が存在しなかった時代に、共同体の掟を守らせるための最も厳格な「社会契約の可視化」だったわけです。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。