日本テレビ放送網にとって、大晦日の夜は長年「民放首位」を誇ってきた聖域だった。しかし休止以降、裏番組の台頭や配信コンテンツへの視聴者流出によって、かつてのような圧倒的な占拠率を維持することは困難を極めている。日本のテレビ放送業界が全体としてコア視聴率の獲得に苦心する中、大晦日の勝敗は年間の局イメージをも決定づける。
現場の制作ディレクター陣には焦燥とプライドが交錯する。「昔のやり方が通用しないのは百も承知。それでも、家族がテレビの前に集まって腹を抱えて笑う体験を取り戻したい」と語るベテランスタッフの言葉は重い。制作費の効率化と莫大な美術セットの設営という相反する課題を抱えながら、ギリギリの予算配分と演出プランの攻防が深夜のスタッフルームで繰り広げられている。